なんでもカタログNo.24【in the blue shirt】

なんでもカタログNo.24はin the blue shirt

in the blue shirtは、兵庫県西宮市出身の日本のトラックメイカー有村崚によるソロ・プロジェクト須磨学園高校を卒業後、京都大学および同大学院へ進学。在学中にポーター・ロビンソンやtofubeats虹のコンキスタドールなどにリミックス提供を行なうなど精力的に活動を展開、気鋭のアーティストとして注目を浴びる。(タワーレコードオンラインより抜粋)


in the blue shirt - Cluster A

in the blue shirtを一言で表す言葉。本人であるアリムラさんの言葉から引用すると、

「めっちゃ頑張って歌ってるけど何も言ってへんみたいなのがヤバい」。

 

自分は様々なジャンルの音楽を聞いている方だと思うが、今日紹介するin the blue shirt。これは特に変わった音楽だと思う。in the blue shirtとの出会いは上の楽曲「Cluster A」で、映像もオシャレで良い感じだが、何よりボーカルが変わっている。「今まで聴いたことない音楽だ…!」と衝撃を受けた。

これは『ヴォーカルチョップ』というDTMの手法で、ボーカル音源が入ったオーディオファイルを切り刻んだものを素材とし、それを加工したり並び変えたりして再構築するというもの。これをサンプリング音源から行なっているということが、in the blue shirt楽曲最大の特徴である。

 

歌声には大きく分けて二つの要素「言葉の意味(歌詞的な側面)」「発音、響き(楽器的な側面)」があると思うが、ヴォーカルチョップによって前者が切り捨てられる。すると歌声は楽曲の中の数ある楽器の一部として働く。加工したために“歌ってる感”が薄まるから当たり前だが。それによって、なんとも言えない違和感、そして気持ち良さを生み出す。

ここまでは一般的なヴォーカルチョップであるが、in the blue shirt楽曲のヴォーカルチョップは他と比べて“歌ってる感”が感じられる。それは本人も意識していて「いかに自然に歌ってるような感じにするか」と考えながら作っているらしい。ここまでくると分からん。けど、その道を極めている人ってカッコいい。

 

in the blue shirtは僕に、新しい音楽の楽しみ方を見せてくれた。やっぱ音楽って楽しい。

ちょうど先週に2ndアルバム「Recollect the feeling」が発売されたばかり。気になる方はぜひ聴いてみてください。

Recollect the feeling [WL-001]

Recollect the feeling [WL-001]

 

 

(参考)

「めっちゃ頑張って歌ってるけど何も言ってへんみたいなのがヤバい」 関西きってのトラックメイカー、in the blue shirtはなぜ人間成分を失わずに意味を消失させようとするのか | TURN

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