POTLUCK Lab. vol.2 感想
8月24日(土)、京都CLUB METROにて開催されたDTMワークショップ「POTLUCK Lab.」に参加した。前回に引き続き、今回のvol.2も最高のイベントだった。POTLUCK Lab.については、主催のアリムラさんの振り返りをご覧ください。
イベントの詳しい内容についてはtakawoさんの以下のレポートを参照ください(非常に分かりやすいレポート、ありがたや…🙏)。
ということで今回のPOTLUCK Lab.を通じて感じたことを書き留めておく。
- ゆnovation『なに考えて作ってるの?-ゆnovation編-』
- Carpenter『フロアを揺らせ! 〜クラブミュージックにおける本当の重低音とは?〜』
- DJタイム
- Metome『グルーヴ&ミキシング 〜プロジェクトファイル解説〜』
- Take potluck 〜来場者持ち込み音源視聴会〜
- まとめ
ゆnovation『なに考えて作ってるの?-ゆnovation編-』
ゆnovationさん(以下、ゆのべさん)による、曲ができるまでの思考についての発表。ゆのべさんは理系大学生ということで(院試合格おめでとうございます!)、自分と似た環境にあり思考ロジックにも共感する点が多かった。
まずは曲を作るに当たっての方向性。
- やりたいこと,得意なこと
- 新規性があること
- 求められていること
を満たせれば良いとのこと。
これ大学で研究テーマ決めるときの指標とほとんど同じですね。これらを満たすものをちゃんと決めようと思ったら、先行研究のサーベイが必要。これからはこの3点を意識しつつ、いろんな曲を聞こうと思った。
そして一番印象に残ったのはプロジェクトシート作り。一曲ごとに、
- テーマ
- リファレンス
- ねらい
- 構成
をノートに書き出すとのこと。
曲の方向性をブレさせずに、モチベーションを維持させるという点で有効な手段だと思った。自分もこれからはこのメソッドを使おうと思う。普通のノートではなく、実験ノートで。笑
何事にも人それぞれ得意なことや思考の特性というものがあって、一般に正しい方法と言われることでも人によっては合わなかったりする。DTMにおいても、超ざっくりいうと感覚派と理論派的なものがあると思う(もちろん二分するものではなく、連続的なものとして)。自分は何事においても論理的思考を運用しがちなので、ゆのべメソッド(と呼んでいいのかな?)はわりと自分に合ってそうだなと感じた。
Carpenter『フロアを揺らせ! 〜クラブミュージックにおける本当の重低音とは?〜』
Carpenterさんの発表にもたくさんの学びがあった。
「クラブミュージック=クラブでかかることを前提とした音楽」という解釈。言われてみれば当たり前に思えるけど、今まで考えたことなかったなと思った。自分にとって音楽を聞く場所は家、道路、電車の中、もしくはライブハウスや野外フェス、というのが自然と当たり前だった。クラブミュージックとジャンル分けされる音楽を聞いたことはあるものの、クラブという場所に縁がなかったし(京都メトロに来たのもこの日が初めてだった)、そういう意味では自分はクラブミュージックを聞いたことがなかったとも言えますね。笑
キーワード「重低音≒振動」
確かに重低音を感じた。ちょうどスピーカの前にいたのでラッキー。重低音という言葉は知ってたけども、それが人にどう作用するかまでは考えたことがなかった。重低音をコントロールすることの重要性を学んだ。これがクラブミュージックか。そういえばこの前「808のキック全然音鳴ってへんやんけ!」って思ったけど、あのときは家のしょぼいイヤホンで聞いてたからなんですね。クラブで聞くとめちゃくちゃ迫力あった。ごめん808。社会人になったらそれなりのスピーカが欲しい。
テレビやスマホの内臓スピーカでしか音楽を聞いたことない人って意外と多くて(というか世間一般だとそちらの方がマジョリティ?)、そうなるとベースなどの低音が聞こえないし、聞こえないということ自体知らない状況もある訳で。音楽の楽しみ方は人それぞれあることは言えども、それって本当に音楽を聞いてるって言うんやろうかと感じることがあって。だから少しでも音楽に興味があるならばイヤホンで聞くなり、ライブに行くなりして欲しいなと思うことがあるけれど、今回の重低音に関しても同じことだなと思った。クラブで実際に聞かないと体感のしようがないから。やっぱ体験って大事だ。
という感じで、クラブの楽しみ方講座としてもめちゃくちゃ参考になりました。
「重低音を使いこなして、よいトラックメイクライフを!」
DJタイム
DJを聴きながらたくさんの人とお喋りした。前回会った人とは特にたくさん。また以前から会いたかった人ともお喋りできて楽しかった。
Metome『グルーヴ&ミキシング 〜プロジェクトファイル解説〜』
Metomeさんの発表は驚きの連続だった。
3分でいい感じのテックハウス作っちゃうぞ講座。話聞いてるとほんまに3分で出来そうと思ったけど、やってみると難しそう。笑
音楽理論を頭で理解することも大事だけど、曲作りが上手くなるには結局手を動かして曲を作ることが一番の近道だろうなと思った。
うちの研究室の教授がよく言う、プレゼンの苦手な人が上手いプレゼンができるようになるには上手いプレゼンをするしかないという逆説的な話を思い出した。成功体験がさらに自分の力を向上させるという話。頭でっかちになりがちな自分にとって大事な教訓になっている。
あとMetomeさんパン振りしてないって聞いてビビった。
Take potluck 〜来場者持ち込み音源視聴会〜
参加者による持ち込み音源の試聴会。今回は曲の性質によってセクション分け、並び替えされていたおかげで前回よりも聴きやすかった。改めて色んな人がいて色んな曲があるんだなと思ったし、それらを作った人が一堂に会しているというのも面白いですね。
今回自分は「夏の夢」という曲を提出しました。夏うた作りたい!と思い立ち、夏の音を詰め合わせてみた。夏、といえばいろいろあるけど、自分にとってはやっぱり野球なので、少年野球の様子の音源を入れた。だらだら作ってた曲なので、締切りがなければ完成しなかっただろうなと思った。やはり締切り設定大事。
写真は今年の夏京都の田舎でやった少年野球のOB戦で撮ったもの。
自分の曲を聞いてもらうのはめちゃくちゃ緊張するけど、色んな人からコメントがもらえるのは嬉しい。アリムラさんに「音楽にノスタルジックを追求するというのは僕も〜」というコメントを貰ったのが一番嬉しかった。家に帰ってすぐin the blue shirtのRecollect the Feelingを聞いてノスタルジーに浸った。
正直自分の音楽ルーツというのがよく分かってないし、〜っぽいと言われても知らないアーティストだったり…勉強不足だ…作る、聴くのサイクルを意識して回していきたいと思った。まだ自分の音楽の方向性が定まってないから尚更。
まとめ
曲作りの細かいtipsを聞くのも役に立つし面白いけど、その人の心構えだったり思いを聞けたことが嬉しかった。音楽リスナーとしての自分を振り返ったとき、直観的に曲を聞いてこの曲好きってなるのもあるけど、結局はその曲を通じて何がしたいのか、どういう思いでその曲を作ったのか、みたいな所に惹かれてその作り手のことが好きになるということが多い。曲を通じて人に惹かれる的な。
DTMというのは大体が1人で行うことではあるけども、人と人との繋がりによる影響ってめちゃくちゃデカイんじゃないかと感じた。そういう意味で、POTLUCK Lab.を通じて得たDTM知識は多いけれども、POTLUCK Lab.を通じて音楽を愛する素敵な方々と出会えたことが何より大事なんじゃないか。POTLUCK Lab.運営陣には感謝しかないです。本当にありがとうございます。
自分も何かしらで貢献したい…POTLUCK Lab. vol.10ぐらいまであれば登壇発表とかしてみたい…と思うのでした。
これまで出会えた方、そしてこれから出会うであろう方も、皆さんどうぞよろしくお願いいたします。
音楽サイコー。