140字からの離脱

 修論が終わり時間に余裕ができて、最近はもっぱら本を読んでいる。残りわずかの学生生活、頭空っぽにして遊べばいいのに、とも思うが。情報収集していないと気が済まない人間なのかもしれない。今読んでいるのは、文化批評の本と哲学の本。読み終わったら感想書かないとね。

 ぼくが本を読むようになったのはここ半年ぐらいの話で、どちらかと言えば読書は好きではなかった。本を読むって時間がかかるし、体力も使う。でも文章を読むこと、情報を得ることは好き。そういう意味ではTwitterは自分にとって最強のツールだった。

 Twitterの強みとしてはなんといっても140字制限。この制限のおかげで、短い時間で多様なトピックについてたくさんの情報が得られる。Twitterを眺めているだけで、音楽の話、野球の話、テレビゲームの話、はたまた友達のプライベートでユニークな話など、次から次へと自分の興味がある話が流れてきてワクワクした。7年前に始めて以来、スマホを手に取って一番初めに開くアプリはずっとTwitterであった。

 ところが最近はそうでもない。Twitterを見ていても、何も面白くない。RT稼ぎのための決まりきった構文、誰のためにもならない嘘、ニュースに短絡的に反応する声…もともとその様相はあったが、今回の件(あえて書かない)で一気に顕在化した。繊細な人ならこんなの耐えられないだろう。

 もちろん、全員が全員この空虚なゲームに参加しているわけではない。むしろ、この文章にたどり着くようなぼくのフォロワーにはそういう人は少ないだろう。しかし思っていたよりも多かった。それが悲しかった。やるせなかった。

 彼らの多くが意識的にこのゲームに参加しているわけではないのは分かっている。でもあまりにも多すぎて、この言葉にし難い空気の伝播力というものが怖くて仕方ない。ウィルスの感染よりもよっぽど怖い。

 こんなディストピア化した場所では、発信する側としても、140字のつぶやきを残す気が起きない。最近になってブログ意欲があがっているのも、Twitterの限界を感じたからなのかもしれない。

 これからはインスタとブログ中心で、Twitterはそのリンクをただ貼りつける場所に段階的になっていくかもしれない。少なくとも自分の中では。140字からの離脱を考えている。