【ネタバレ注意】SAKANAQUARIUM2020 "834.194光" 感想(京都2日目)

2020年1月29日、サカナクションのホールツアー公演に行って参りました。会場はロームシアター京都。僕の地元、京都での公演ということで見に行かねば!とチケットトレード制度を利用してなんとかチケット1枚確保。今回の公演、必死にチケット取った甲斐があったなというレベルでは収まらないほどの深い感動を覚えたので、まだツアー中ではありますがブログに書き残そうと思いました。

 

~以下、セトリや演出などのネタバレ要素を含みます~

 

f:id:holybayataka:20200206152900j:plain

会場、ロームシアター京都の玄関口。奥のほうに物販の列が見える。

 

セトリは以下のとおり。

f:id:holybayataka:20200206160244j:image

 

開場、開演

サカナクションのライブは開場から始まっていました。通路を歩いて会場のドアを開け入ると…ケムリでほとんど見えない!なにこれ!

僕が座る3階席からは3階席しかはっきり見えず、下の1階席を覗いてもケムリでほとんど見えない。うっすら人影が見える感じ。ステージがどこにあるかも分からない。まるで竹田城跡の雲海のよう。

環境音的な音楽が流れていて、夢の中にいるような、幻想的な雰囲気。数十分間、ずっとニヤニヤしながら開演を待つ。

 

いよいよ開演、ケムリがなんとなく晴れてきてステージが見えるように。ステージは意外と近く、狭いことに初めて気付く。そしてメンバー5人のシルエットが見え始めた頃、山口一郎指揮者のもと音が鳴り始める。最近では定番の始まり方。でも、いつもとちょっと違う。楽器の音の間に声が聞こえる。「セカイ…セカイ…」まさか!?

 

そのまま始まった1曲目、グッドバイ!!

何ということでしょう!いつも最後に演奏するあのグッドバイが、1曲目!

今回のツアーは前回(アルバム直前)のツアーからの続きなんだな、とここで理解した。1曲目のグッドバイは格別。ぼんやりと、シルエットしか見えないのもまた良い。

 

2曲目、マッチとピーナッツ。ケムリが薄くなり照明は明るく、メンバーがはっきり見えてくる。衣装全員白!いつも黒やのに!そして上から見てたのですぐ気付いた、バンドセットも横並び!(普段は上から見るとM字)

 

3曲目キキッドルーム、なんだかんだ久しぶりに聞いた気がする。

"君は平日京都の ここでしか会えない人"。

 

そろそろ盛り上げる曲とか来るのかな、と思い始めた4曲目、ネイティブダンサー。ゆっくりと盛り上がっていく感じ。良い。冬の曲。昨年末のレディクレでも演奏していました。あのときよりもクラップがきれいに揃う。笑

 

5曲目、ユリイカ。あれ、また落ち着いた。静かに静かに。でもエネルギーは溜まっていく感じ。ステージのバックに(多分前回と同じ?)映像が投影されてたっぽいけど、残念ながら3階席からは見えず。ただイントロの入り方は前回とアレンジが違っておおっとなった。

 

確かめたのさワンダーランド

ユリイカのアウトロ、ケムリがまたもくもくと会場内を包み始める。またステージが見えなくなっていく。音も大きくなっていく。ぐわーっとエネルギーが溜まっていき、そして。

ふっと音が開放される。と同時にエレキギターの音、ワンダーランドの「君は深い」のフレーズ。

うおぉ…と思わず声が漏れた。そして何も動けず、何も考えられず、ただただ立ち尽くした。この日の公演通して、一番印象に残ったのは間違いなくこのシーン。

前回のツアーで聞いたときはまだ未発表曲であったワンダーランド。初めて聞く曲ながら、炎を使った演出、ノイズとともにフェードアウトしていく演出など、かなり衝撃が大きかった。だが今回の衝撃はそれを更に上回る。アルバムリリースによって聞き込んだり、この曲のコンセプトを知ったりした上でこの演出を見ると…君は深い。

この曲の歌詞どおり、前回は"初めて見たのさワンダーランド"、今回は"確かめたのさワンダーランド"であった。

 

壮絶な感動を経て次の曲、流線。沁みる。DocumentaLyももう8年前か。

そして、茶柱。ここの流れがめっちゃスムーズに感じたのはエンドレスとイントロの和音がにてるからかな。ライブで聞くの初めて。ザッキーが伴奏、一郎が歌う。小樽組。姐さんが途中から弾いてたのはコントラバス

次にナイロンの糸。茶柱までの胸にグッと来る雰囲気から、流れに身を預けたいような、海に連れて行かれる感覚。

そしてボイル、広い沖の船の上だ。ナイロンの糸との相性ぴったり。2番のAメロは、サカナクションの歌詞の中でも特に好き。歌い上げた一郎に拍手が上がる。

ラスサビ、いつかのツアーで一郎が言ってた、浮遊感を表現したいと演出に凝ってた部分。そこでなんと!

ステージ左右、奥のカーテンが落ちて、ステージが広がる!!

予想外の演出に盛り上がる。ステージを狭く感じたのは気のせいじゃなく、そこから演出だったのか。

 

みんなまだまだ踊れる?

ステージも広くなり、LEDパネルも登場したことで、このライブの潮目の変化を察知する。

「みんなまだまだ踊れる?」といつもの煽り文句で第2部の始まり。陽炎のイントロで盛り上がる。ギターソロかっこ良い。と、それを邪魔する一郎。

歪んだギターの音が鳴って、モス。何度聞いてもサビの歌詞のハマり方が絶妙。まーゆーわってーがーにーなーるーマイノリティー

夜の踊り子、なんだかんだライブで一番聞いたことあるの、この曲じゃないか。分かっててもサビまで焦らされる感じが最高。

そして意外な選曲、セントレイ。この日のセトリの中では(リリース順で)一番古い曲。でも確かによく考えてみたら、サカナクションで"光"といえばこの曲に違いない。歌詞もばっちり、ツアーコンセプトにぴったり。懐かしい。

今煙の中を歩き続けて

淋しくなる夜を抜けて

千の最後までほら

手で数えたら

見えてきたんだ

繋がる世界

続けて、アイデンティティ。始まる前に「みんなアイデンティティ歌える?」の合図で大合唱するっていう最近のくだり、好き。歌ってて気持ちいいもん。

アイデンティティが来たら気になるのは次の曲ですね。古からの秘儀「アイデンティティ→ルーキー」は炸裂するのか…アウトロから繋がる曲は…

多分、風。まあそりゃそうだ!834.194ツアーだし。この曲もリリースされたときと比べると、ライブの乗せ方というか、演出の仕方が年を追うごとに馴染んできてて良い。

ああ、それにしても、最近聞いてない「アイデンティティ→ルーキー」聞きたかったな…と次の曲。

 

「ミエナイヨルノツキノカワリニヒッパッテキタアオイキミ…」

 

ルーキーやん!!うわああ!!

イントロとともに緑の光!久しぶり!ルーキー!

ラスサビ前、「ロームシアター京都ー!!」

 

「あー楽しかった。ありがとうございました、サカナクションでした。」

と言い残して、新宝島。1サビ後に一郎がスクールメイツのダンスの真似するやつ、愛しいほど好き。そういえばラジオかどこかで新宝島のアウトロみんなに合唱してほしいって一郎言ってたけど、はたして歌ってた人はいたんだろうか。笑

 

良い締めだった…と思ったけどまだメンバーははけない。

照明も落ち着いて、静まり返った中。

流れ出したのは、さよならはエモーション。真の最後の曲。

さよなら

僕は夜を乗りこなす

ずっと涙こらえ

忘れてたこと

いつか見つけ出す

ずっと深い霧を抜け

AH ミル ヨルヲヌケ

アスヲシル ヒカリヲヌケ

 なるほど、"光を抜け"で終わるのか。これにて"834.194光"、本編終了。


アンコール

サカナクションあるある。アンコールの拍手、一定のビート刻みがち。決して焦らない。

メンバー登場。しかし一郎の姿はない。ステージの下手側にスポットライトが当てられる。忘れられないのの衣装を着た一郎が登場。急にコミカルな演出。笑

一郎がうろうろしながらポジションに着くまでメンバー4人の演奏、お互い目を合わせながら息ぴったり。何だこの対比。笑

曲中も一郎はばらの花を客席に投げたり、逆に投げられたり、というホールならでは(?)のハチャメチャな演出でした。

曲が終わり、「散らかっちゃったね」と、ステージ上に落ちているばらの花を拾い集めて、もっちにプレゼント。もっちはまんざらでもない表情。アンプの上に飾る。

 

MC、「今日演出とかめっちゃ上手いこといった」と満足げ。次に、「実は僕、京都とけっこう縁があるんですよ。」と両親の話や姉の話。過去何回か聞いたことのある内容だったが、客席からは「え~!」というリアクションが大きかった。たしかに、京都でライブ久しぶりやもんね。

「今回あの曲やらなかった~とか文句言う人いるので、次の曲は抽選で決めます!」と前々回のホールツアーと同様のコーナー。(魚ゼミナールのときもやってたのかな?)候補曲は6つ(スローモーション、仮面の街、モノクロトウキョー、enough、ライトダンス、Ame(A))だったと記憶、違ったらすみません。

抽選を引いたのは一番前にいたお客さん。引いたのは、モノクロトウキョー。下北の王将に思いを馳せる。

最後は、セプテンバー。バックの映像でカウントアップされる数字は8bit風のフォント。"834.194"までカウントアップされて終わり。

 

まとめ

前回のアルバム前ツアーの続きということで、前回からの流れを汲みつつも、アリーナとホールによる演出の違いも表現していて、改めてすごいバンドだなと。またセットリストも"光"というコンセプトに基づいていて、"光"という観点で見ることで改めて一曲一曲の歌詞に対する見方が深まったなと感じました。

常に最高を更新し続けるサカナクション。次に行くライブはどういう形になるか分からないけれども、どこまでもついて行きたい。